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歯周病が起こす健康被害
歯周病はお口の中で唯一の生活習慣病といわれ、お口の中だけでなく生活習慣病やその他の病気とも深く関係しています。今回は、歯周病から誘発される6つの病気についてご紹介します。
歯周病と全身の健康
1、心臓病
歯周病と心臓病には深い相関関係があり、歯周病原因菌が心臓の血管をつまらせ、心臓の血管の細胞を障害することがアメリカの研究で明らかになりました。
2、歯周病と糖尿病
糖尿病の患者さまは、血液が高血糖になり、毛細血管がもろくなります。そのため、歯肉炎を起こしやすくそのまま放置すると重度の歯周病になりやすいと報告されています。
3、肺炎
厚生労働省より、高齢者(65歳以上)の死亡原因、第1位は肺炎と報告されていますが、肺炎の中でも口の中の細菌が肺に入り込み炎症を起こす肺炎を誤嚥性肺炎や嚥下性肺炎といいます。誤嚥性肺炎を起こした患者さまの肺からは、歯周病原因菌(嫌気性グラム陰性桿菌など)が高い頻度で見つかることから、歯周病と肺炎に強い関連性があるとされています。
4、歯周病と骨粗しょう症
骨粗しょう症の患者さまは、歯を支えている骨の減少(歯槽骨吸収)が早く、歯周病の進行が早いという報告があります。また、歯周病で歯を失うことにより、食べ物を噛む力が弱まり、バランスよく食事することが難しくなるため、身体全体の骨密度が低下し、悪循環が起こりやすい傾向にあります。
5、早産
歯周病にかかっている妊婦さんは、早産の可能性が高まると報告されています。歯周病が進行して歯ぐきの炎症が強くなると、歯周組織のプロスタグランディンE2が増えます。このプロスタグランディンE2は、じん痛促進剤として使用されており、子宮の収縮、子宮頚部の拡張作用を促すため、早産を引き起こすといわれています。
6、バージャー病
バージャー病とは、手足の末端の血管が詰まり、炎症がおき、皮膚に痛みや潰瘍をおこす病気です。このバージャー病と歯周病には深い関連性があり、バージャー病にかかった方は、全員歯周病であると診断され、歯周病の進行度合いは中度から重度でした。歯周病菌は、血栓をつくりやすく皮膚の内側の細胞に進入するとの報告がされています。
まとめ
歯周病は、お口の中で唯一の生活習慣病であり、全身の健康と深く関わっているということをお分かりいただけたのではないでしょうか。
歯肉の腫れや出血がある場合、歯周病の初期症状である歯肉炎になっている可能性があります。
そのほかの健康被害が起こる前に早めに歯科医院で歯周病治療を受けるようにしてください。